交際費と必要経費
事業所得、不動産所得および雑所得の金額を計算する上で、必要経費に算入できる金額は、次の金額です。
(1)総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用の額
(2)その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用の額
No.2210 必要経費の知識|国税庁
| 種類 | 具体例 |
|---|---|
| 収入と直接対応する必要経費 | 材料仕入れ、一定の外注費 |
| 期間対応の必要経費 | 水光熱費、PC代、交通費、交際費、HP制作費 |
一般的に、フリーランス(個人事業主)の場合、必要経費になるものは上記の二つに大別されます。接待交際費は上記のうち、(2)に該当すると考えられます。
個人事業主の交際費の金額上限
| 区分 | 金額の上限 | 交際費の範囲 |
|---|---|---|
| 法人 | あり | 相対的に広い |
| 個人事業主 | なし | 相対的に狭い |
法人とは異なり、個人事業主の交際費には、金額の上限がありません。ここだけ覚えてご自身にとって都合のよい解釈をしてしまい「個人事業主はたくさん交際費を計上してOKなんだ!」と誤解する方が非常に多いですが、それほど甘くありません。
個人事業主の場合、飲み食いした経費は、原則的にはプライベート経費とされます。その上で、例外として、業務遂行上直接必要であったと主張し得るもののみが、交際費として必要経費算入できます。「仕事関係者と食事に行けば全て交際費」という考え方は完全な誤りなので注意しましょう。基準としては「税務調査時に自分が自信を持って説明できるかどうか」です。
領収書にメモをのこす
メモすべき項目

必要経費として計上できる交際費が生じた場合の実務対応ですが、当然ですが領収書などの証拠資料は必ず大切に保管しましょう。その際、領収書等の空きスペースに以下のような項目をメモする癖を付けておいてください。
- 相手方の会社名や事業者名
- 相手方の氏名
- 相手方との関係(例:得意先、外注先etc.)
捨てて良い?
「クレジットカード明細があれば個々のレシートは捨ててOK」
「金額●●円以下はレシート捨ててOK」
など様々な情報が飛び交いますが、結論としては、「事業に関する書類はすべて保管すべき」です。
税務のやっかいなところですが、「消費税法上はレシート不要だが、所得税法上は必要」のようにルールが分かれていることがあります。巷に溢れる情報の中には、消費税法上の話にしか触れずに「捨ててOK」と言い切っている誤った情報もあります。
普段フリーランスとして仕事をする中で「これは…消費税法上はレシート捨ててOKだけど…所得税法上は必要だから…えーと…」のようにいちいち考えて整理することが現実的でしょうか?
このようなことをやっていると逆に負担が増えます。そのため、「事業に関するものは全て必要」と覚えてください。
おすすめ保管用ファイル
こちらのファイルは、48ポケットついているので、1ポケット=ひと月分とすれば、4年間使うことができます。ジャバラタイプのファイルとは異なりかさばらないので本棚にも収用しやすいところがおすすめです。


領収書とレシートどっちが大事?
| 区分 | 証拠能力 |
|---|---|
| 領収書+明細 | |
| レシート等の明細 | |
| 領収書 |
レシートなどの明細(例:購入した物の名称や単価、購入数が印字されているもの)が交付されているにも関わらずそれは破棄し、内訳明細が印字されていない領収書を保管する人がいますが、明細が記載されている資料の方が証拠能力は高いです。もちろん領収書を貰ってもOKですが、明細など詳細が記載されている方は必ず保管しましょう。
コンビニなど、「明細が記載されたレシート」が間違いなく交付されているはずであるにも関わらず、その保管がなく、なぜか領収書(購入品の明細なし)だけ受領しているようなケースの場合、税務調査時に「明細を見られたくないからこうしたのか?」と疑われる原因にもなります。素人が思いつくような低レベルな手法は、税務調査時には一切通用しませんので絶対にやめましょう。
場合によっては「隠蔽」行為と認定され、最大ペナルティの対象(最悪の場合、刑事罰の対象)となる可能性もあります。
NG行為
同席した相手と割り勘だったにも関わらず、相手が支払った分まで経費計上するのは絶対にやめましょう。これはただの脱税(犯罪行為)です。
リテラシーの低い方で「自分の周りでやっている人を見たことがある」と考える人もいるかもしれませんが、「自分の周りで万引きして捕まらなかった人がいた。だから自分も万引きする」と言っているのと同じです。
生成AIではなく税理士へ依頼するメリット
なぜ生成AIではだめなのか
クラウド会計や生成AIは非常に便利な道具であり、これは疑いようのない事実です。
しかし、これらはいわばライトセーバーのようなものです。つまり、素人がブンブン振り回していると、誤って自分の身体を切ってしまうこともあります。
会計実務や経理実務を熟知している人がこれらのツールを使えば百万馬力ですが、素人がこれらのツールを使うと、悲惨なことになります。生成AIはあくまでも「プロが使うもの」と心得ましょう。
時間の節約
決算申告をおこなうためには、想像以上の時間と事務負担が発生します。最初ご自身でおこなうつもりだった方も、実際にやってみると、「あ・・・これは無理だ」と感じるはずです。
これを税理士へ依頼することで、ご自身の時間を節約することができます。
節税
適法な範囲での節税対策を提案してくれる可能性があります。
一般の事業者では気づかない経費の計上方法や各種控除の活用、税制優遇措置の利用など、専門知識に基づいた節税アドバイスを受けることができます。
例えば、青色申告特別控除の最大限活用、小規模企業共済等掛金控除の利用、設備投資に関する特別償却や税額控除の適用など、適切な対策により税負担を大幅に軽減できる場合があります。
コンプライアンス強化
昭和の時代は放牧的だったかもしれませんが、時代が進めば進むほど、規制やルールはどんどん厳しくなってゆきます。税金の分野も同じです。
「ちゃんと進めたい」と考える、誠実な事業者にとっては、税理士へ依頼することで「守り」の部分を強化することができます。
漠然とした不安の解消
税金の分野は非常に分かりにくいものです。これは税理士以外の方だけでなく、意外かもしれませんが、税理士業界の人間でも同じことを思っています。
プロでも「わかりにくい」と感じるほど複雑かつ奇怪な分野です。これを聞けば、プロに依頼せずに自身で進めてしまう弊害は想像に難くないのではないでしょうか。
税理士へ依頼することでこの「税金への漠然とした不安」を解消することができます。
良い税理士のさがし方チェックポイント
✅担当者は税理士か?スタッフか?
税理士業務は膨大な情報量を扱うため、大量の顧客を抱えている事務所の場合、通常は無資格者のスタッフが担当者となります。
病院と同様、スタッフが現場を回す業界なので、スタッフが対応=悪いこと、ではありませんが、「想定と違った」ということが無いようにだけ、事前に確認しておく必要があります。サービスランクや料金にもよりますが、気になっている事務所があれば、「誰が担当者になるのか」を聞いてみましょう。
✅コミュニケーション手段
たとえばいまだに「FAXと電話しか使えません」という税理士もいるため、どのようなコミュニケーション手段を使っているかを確認しましょう。なお、税金の分野は、どこかに明確な答えが書かれていないこともたくさんあります。
ろくに前提情報や事実関係を整理せずにチャットでなんでも回答できるほど、税金の話は簡単ではありません。にも関わらず、顧客ウケを狙って、「チャットで何でも回答します!」と安易にアピールしてしまう税理士は、そそっかしく少々危ない可能性があるため、そのあたりの見極めも大事です。
✅年代
コミュニケーションの取りやすさに影響を及ぼす可能性があるため、その税理士の年代を確認しましょう。好みの問題ですが、自身と同じ世代であればコミュニケーションも取りやすいかもしれません。
✅不利な情報も公開しているか
ただでさえ「顧問契約」というものはサービス範囲が分かりにくいものです。にもかかわらず、HP上にサービス範囲が掲載されていない、「経営者に伴走します」など、内容の薄い空虚な宣伝文句しか書かれていない税理士事務所は依頼者からすれば不安が残るでしょう。
ぜひ、面談時に詳細を聞いてみましょう。「できないこと」を明言してくれる税理士は誠実です。
- 「経営者に伴走します」のような抽象的な宣伝文句しか書かれていない。
- サービス範囲が不明瞭。
- 良いことしか言わない。
✅税理士の出身バックグラウンド
ひとことで「税理士」といっても、実はほぼ別の職業といっても過言ではないほど、経歴によって能力や経験がことなります。これは税理士業界外の方々には見えない光景です。
「税理士の資格は持っているが税務の実務経験が浅い(またはゼロ)」という税理士もいるため、要注意です。
- 税理士自身が会計事務所で働いたことがない。
税理士報酬の相場
優先順位を決めよう

他の業界とおなじく、税理士業界にも「安かろう悪かろう」という概念があります。きちんとした対応を望む場合は料金も上がります。
ただ、何でもかんでも料金が高い税理士に依頼すれば良いというものでもありません。場合によっては、「住宅街の中をスポーツカーで爆走する」ような状態となってしまうため、ご自身の状況にとって一番最適な料金価格の税理士と契約すればよいでしょう。住宅街の中しか移動しないのであれば、スポーツカーではなく自転車で十分、のようなイメージでいましょう。
濃い関与を税理士へ依頼するときの相場感
| 年商 | 年額相場(税込) |
|---|---|
| 1,000万円未満 | 約400,000円 |
| 1,000万円以上3,000万円未満 | 約550,000円 |
| 3,000万円以上5,000万円未満 | 約700,000円 |
| 5,000万円以上1億円未満 | 約900,000円 |
| 1億円以上3億円未満 | 約1,000,000円 |
| 3億円以上 | 約1,300,000円~ |
しっかりとした対応を求める場合は、上記料金相場を参考にしましょう。なお、探せばもっと安価な税理士事務所も無数にあります。
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はやめに探さないと見つからないかも?
所得税確定申告は、毎年3/15までに、その前年分の所得を申告するため、会計事務所は12-3月は繁忙期となります。
そのため、依頼するタイミングが遅れると「うちはもう申込みを締め切っていて引き受けられないんです…」と断られてしまうこともあります。
そうならないよう、税理士の探し方をいくつか紹介します。
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はじめて税理士に依頼するので不安…
断るときは後腐れなく断りたい…
とにかく安く済ませたい…
一気にたくさんの税理士と面談してから決めたい…
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